« 『ゾンビランド』試写会 | トップページ | 頭脳警察のBOXが »

2010/05/13

『運命のボタン』

●『運命のボタン』(THE BOX)
(2009年 アメリカ)(上映時間1時間56分)
監督・脚本:リチャード・ケリー
出演:キャメロン・ディアス、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェ
ラ、ジェームズ・レブホーン、ホームズ・オズボーン、サム・オズ・ストーン
ホームページ http://www.unmeino.jp/

<ストーリー>
1976年のある冬の朝、ヴァージニア州郊外に暮らすルイス夫妻の元に、奇妙な
赤いボタンが付いた箱が届く。その後訪ねてきた謎の紳士は、妻のノーマ(キ
ャメロン・ディアス)に「24時間以内にボタンを押せば100万ドルが手に入るが、
代わりに見知らぬ誰かが死ぬ」という究極の選択を提示する。夫婦はボタンを
押すべきか否か迷うのだが……。

<レビュー>
シュールで、緊張感に包まれた究極の選択のドラマ
リチャード・マシスンが1970年に発表した短編小説の映画化。突然ボタンの付
いた箱が届き、「ボタンを押せば100万ドルがもらえるが、どこかで誰かが死
ぬ」と告げられた夫婦。はたしてどう決断するのか……。

ハラハラ感はタップリだし、人間の欲望に関わる深いテーマ性を持ったネタ。
ただし、それを真正面からリアルに描くのではなく、ユニークな切り口で描い
ています。

問題のボタンは妻によって意外に早く押されてしまいます。しかし、その後が
大変です。ボタンを届けた顔の欠けた紳士など、不気味な人物がたくさん登場。
謎の殺人事件をはじめ次々に不可思議な出来事が起きます。

NASAによる火星探査プロジェクト、情報組織による恐ろしい陰謀、さらに
は人間とは「別のもの」の存在まで示唆する大胆な展開。

これはSFか? ホラーなのか? あるいは夫婦の愛情物語なのか? 観てい
てもまったくわからない先の読めないドラマが展開します。

後半に進むにつれて、ますます大胆に、そしてシュールになっていく描写。現
実なのか、妄想なのか、それさえ判然としない場面が登場します。あまりに突
飛な展開や描写が多く、よくよく注意して観ていてもワケのわからないところ
も……。

それでもどんどん引き込まれてしまうから面白いもの。監督・脚本のリチャー
ド・ケリーは、高校生が次々に不可解なことに遭遇していく『ドニー・ダー
コ』をはじめ、ほとんど暴走に近いような世界を自由に構築する人。それを事
前に知って観たせいもありますが、不可思議でゾクゾクする独特の空気は魅力
タップリ。「何だ、何だ、どうなるんだ?」と思いながら、最後まで飽きずに
観てしまいました。

クライマックスでは、夫婦がさらに究極の選択を強いられます。その結末は衝
撃的なもの。いろいろなことを観客に考えさせるラストです。

夫婦を演じたキャメロン・ディアス、ジェームズ・マースデンに加え、謎の紳
士を演じたフランク・ランジェラの存在感が光ります。

短編をこれだけの長さの映画にしただけに、やや冗長なところは感じられるも
のの、それを上回る魅力がある映画でした。謎に満ちて、シュールで、緊張感
に包まれた独特の世界は一見の価値あり。ただし、リチャード・ケリー監督の
世界を未体験の方は、あまりに大胆でユニークな描写に面喰ってしまうかもし
れないのでご注意を。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
(独特のタッチで描いた異色のサスペンスで見応えアリ。ただし、リチャー
ド・ケリーがどんな監督か知らないと驚くかも。)
                             (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2010年5月9日(日)新宿武蔵野館にて。午後4時の回

*この記事は、無料メールマガジン「Cinemaの王国」に掲載したものです。
登録はこちらから。
http://www.mag2.com/m/0000021508.html

|

« 『ゾンビランド』試写会 | トップページ | 頭脳警察のBOXが »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2505/48347584

この記事へのトラックバック一覧です: 『運命のボタン』:

« 『ゾンビランド』試写会 | トップページ | 頭脳警察のBOXが »